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小池都知事は現代版女性大久保利通になれるか?

   

大久保利通は明治を作った中心人物ですが、
佐賀の乱や西南戦争で盟友だった江藤新平や西郷隆盛を葬り去り、
世間一般の評価は非情と言うことで決して評判は良くありませんでした。

しかし司馬遼太郎が歴史上の優れた政治家として、
織田信長と豊臣秀吉に加えてこの大久保利通を挙げています。
3人に共通しているのは非情と言うことです。

    *豊臣秀吉は温情と思われがちですが、
      それは戦略上の手法であって、
      長年親交を持っていた千利休を切腹させたことや、
      農民に対して厳しい税の取り立てを行ったことなどを見ると、  
      非情な一面を持っていたと言わざるを得ません。

私は非情を悪い意味で言っているのではありません。
本当の政治は非情でないとできないことは多くあるのです。
温情は時として政治をゆがめ、
結果的に大衆の利益にならないことに繋がるからです。

  *癒着やしがらみは温情の負の側面なのです。

小池都知事の今までの行動を見ていますと、
大義のためには多少の犠牲はやむ負えないという、
一般人の持たない非情さを持っている気がします。
これは癒着やしがらみを断ち切るために必要な能力です。
その意味で私は一流の政治家になる素質はあると言っているのです。

  *安倍総理は人事において天才的才能を感じますが、
   非情さと言う能力に欠けている気がします。
   そのため癒着やしがらみから抜け出せないのが気になります。

大久保利通が暗殺された時、
多額の借金が残されていたことが分かりました。
これは本人のために使ったものではありません。
生まれたばかりの新しい日本を私財を投げうってまで、
作り上げようとしたのです。

私はそのことを知ったとき、
それまで嫌いだった大久保利通の見方が一変しました。
明治の政治家のほとんどは大金を手にし、
大邸宅に住んで贅沢三昧、
中には妾を囲っていた政治家も多くいました。

しかし兄弟の家に間借りして質素を貫いた西郷隆盛や、
日本のために私財を投げうった大久保利通のように、
自分を犠牲にしてまで国を思う志を貫いた政治家が
実際にいたと言うことです。

私のような凡夫だったら、
嫌われることを承知で非情に徹し、
しかも私財を投じていることも隠してまで、
日本を作り上げることを優先させるなどとても出来ることではありません。

小池都知事に話を移しますと、
非情さを持っている点では一流の政治家になる素質はあるでしょう。
問題は西郷隆盛や大久保利通のような、
自分を犠牲にしてまで日本を思う心があるかどうかです。

これは今のところ私には分かりません。
東京都政のこれまでの成果は余り感じられません。
非情さを如何に都民のために発揮できるか。
今後の都政の在り方が答えを出してくれるでしょう。

いずれ国政に参加するはずです。
国民は都政の手腕を見ているのです。
いわば都政は国政のための試金石となるでしょう。
本当の現代版女性大久保利通になれるかどうかは、
小池都知事の日本を思う心の強さ次第だと言うことです。

ただ現在は明治と違って、
非情な権力だけで政治を動かせる時代ではありません。
人を如何に納得させ動かせるかの力量が必要なのです。

政党をうまくまとめしかも国民の支持を得る。
この両方が無ければ、
単に非情な政治家だったという評価で終ってしまうはずです。

私はそうならないことを心から願っています。

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