円高にならない2つの理由
2025/08/01
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以前、経済の専門家と言われている人たちの多くが為替予測を外していました。
その理由は日米の金利差やチャート分析にこだわっている人が多いからです。
為替は日米の金利差だけでなく、
構造的な要素や両国の思惑など多くの変動要因が存在するのです。
ここではなぜ円高にならないのかと言う理由を2つ上げてみました。
理由その1.アメリカにとってドル高円安が都合がいいから
アメリカはプラザ合意によって各国に呼びかけ、
強引に円高に誘導することによって対日貿易赤字を解消しました。
そのこともあって日本の製造業は海外に拠点を移さざるを得なくなり、
経済の空洞化を招いたのです。
このようにアメリカは自国有利な体制に強引に誘導することができる国なのです。
ではなぜアメリカはドル高円安が都合がいいのでしょうか?
ドル高は日本からの輸入価格を安くできます。
日本の高品質の製造品を安く手にできるのです。
一方アメリカの主要な輸出品はIT関連のソフトと戦闘機などの軍需品です。
ドル高の方が日本に高く売れるのです。
日本は高いからと言って他国から買うことはできず、
アメリカから買わざるを得ない状況にあるのです。
このような理由でアメリカ有利なドル高円安になりやすいのです。
理由その2.日本人がアメリカ株や金の購入を増やしているから
日本でNISA制度が始まりました。
これは日本政府が日本人に投資を促す制度ですが、
これによって多くの日本人が投資に目覚めました。
特にオルカンやSP500は収益性が高いことから投資対象になっているのです。
また金購入も話題になりました。
各国中央銀行が金購入を増やすニュースが流れ、
金価格が高騰していることから、
やっと日本人にも金購入の重要性に目覚めたのです。
ではなぜ日本人のアメリカ株や金の購入がドル高円安に結びつくのでしょうか?
それは、これらは直接円では買えないからです。
円をドルに換えないと買うことができない仕組みになっているのです。
円をドルに換える。
すなわち円でドルを買うことがドル高円安になるのです。
このように日本人がアメリカ株や金の購入を増やせば増やすほどドル高円安になるという構造になっているのです。
以上のように円高になりにくい2つの理由を述べましたが、
為替の専門家たちの多くがこのことを語らないのは不思議です。
単に知識が不足しているのかそれとも他に思惑があるのか私には分かりません。
参考にしていただければ幸いです。
*私はかなり前から本文のような理由で円安を主張していました。
その時為替の専門家は円高を主張する人が多かったのです。
最近は円安が有利になったので予想を変えた専門家が多いように思われます。
専門家とは余り信用できるものではないようです。
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