簡単な海水ハゼの飼育方法
2016/02/17
私は夏になると大潮の日に車で出かけ、20分ほどの所にある岩場で磯遊びをするのを趣味の一つにしています。
今は事情によりやめていますが、数年前、潮だまりで採ったハゼや小エビを持ち帰り、水槽で飼育したことがあります。
はじめは警戒心で逃げて、入れてある石の陰に身を隠しますが次第に慣れ、数日たつと私が水槽に近づくだけで逆に石の陰から出てくるようになります。
海水ハゼは非常に頭がよく砂粒を口にくわえて運び、砂の窪みを作ったり、驚くべきことに複数の砂粒を石の上に並べるなどまるで遊んでいるかのような行動を見せてくれます。
市販の海水の素などを使って上手に飼う方法があるのかは知りませんが、私はなるべく安上がりにと思い、海水や石などすべての材料を採取したものでやろうと思い飼い始めました。
ところが思ったより難しく、初めは失敗の連続で数日で殺してしまうなどずいぶんかわいそうなことをしました。
その後うまくいかない原因が分かり一年以上飼うことに成功し、おかげでずいぶん心が癒やされたしだいです。
ここではうまく飼育できるようになった私の経験を書きますので飼ってみようと思う方は参考にしてください。
はじめ私は岩場で捕まえた数匹の海水ハゼと小エビとともにできるだけきれいな所で海水を汲み、バケツで持ち帰りました。
同時に海岸の手ごろな石ころをいくつか拾って水槽に入れることにしました。
石ころをきれいに洗い、水槽に沈め、汲んできた海水の中でハゼを飼いはじめました。
勿論エアーポンプによるエアーの供給は忘れていません。
ところが2、3日も経つと海水が真っ白に濁り、全滅させてしまったのです。
そこで私はポリバケツを3つほど買い、海水を汲み置きして濁る前に替えてやることにしました。
しばらくしてなぜ海の水は濁らないのかという疑問が湧いてきたのです。
私の考えて出した結論は、海には水を濁らせないようなさまざまな微生物が住んでいて、そのような微生物の働きによって魚たちが生きれるような状態を常に維持しているのではないかということでした。
さっそく海に出かけ、海水のほかに海水に浸ったできるだけ海藻の付いた石ころと砂、海藻などを拾い、洗うなどの一切の手を加えず、岩場の一部を切り取ったつもりでできる限り自然の状態を水槽の中で再現したのです。
私の考えは当たっていました。一週間たっても一か月経っても全く海水は濁らず、海水ハゼも小エビも元気に飼うことに成功したのです。
私は自然界の素晴らしさを実感しました。私たちは数えきれないほどの微生物たちが自然環境を維持し、その微生物達のおかげで地球上のあらゆる生き物が生きることのできる環境が提供されているのだということに気づかされたのです。
もしほんの一部でも微生物が欠けるとたちまち自然界のバランスがくずれ、私が初め失敗したように海水が濁り生物が生きていけないような環境を作り出してしまうことをこの小さな水槽と海水ハゼや小エビ達によって教えられたのです。
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