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徳川3代将軍家光と天海和尚のエピソードから学べること

   

江戸時代も3代目を迎えますと世の中が安定し、
江戸の町の治安もかなり維持されていたようです。
そのためもあって武士は無用の長物となり、
幕府はあふれた浪人の処遇に苦慮していた側面もあったようです。

3代将軍の家光はしばしば浪人を集めて武術大会を開いたのは、
優秀な浪人を雇い入れる目的の他に、
技量向上に意識を向けさせることによって、
武士としての誇りと尊厳を維持させて、
治安悪化を防ぐ目的があったのかも知れません。

ある武術大会での出来事です。
観衆の前に大陸から贈られた大きな虎が披露されました。
大勢の観衆の前に引き出された虎は興奮の余り、
今にも檻を破らんばかりに荒れ狂っていました。

皆驚きました。
噂では聞いていたもののこれまで実際に虎を見た人はいなかったので、
驚きの余りざわめきがいつまでも鎮まりませんでした。

将軍は参加した浪人たちに向かって、

『そち達の中でこの荒れ狂う虎を鎮めることのできるものは居らんか』

と呼びかけたのです。
浪人たちは互いに顔を見合わせるばかりで、
誰一人として手を挙げる者はいませんでした。

そこで将軍は傍らに控える剣の指南役を指名し、
手本を示すように命じたのです。

立場上受けざるを得ない指南役は必至の形相で虎と対峙しました。
1分2分と経つうちに虎はおとなしくなり、
指南役は意気揚々と引き上げたのでした。
観衆の間で拍手と歓声が沸き上がりました。

『さすが指南役だ、剣の迫力が虎をおとなしくさせたぞ』

と口々に賞賛したのです。

話はこれで終わりませんでした。

突然天海和尚が立ち上がると、
今度は自分がやってみようと言い出したのです。
天海和尚は学問の指南役で、
家康からつかえていますのでかなりの高齢だったはずです。

皆驚きました。
天海和尚が武術を心得ているとは聞いたことが無かったからです。

側近が剣を渡そうとしますと、
天海和尚は微笑み、

『わしの剣はこれじゃ』

と言って懐から数珠を取り出し、
檻の前でお経を唱え始めたのです。

虎はと言いますと、
剣の指南役が立ち去ったため再び荒れ狂っていたのです。

天海和尚が1分2分とお経を続けますと、
再び虎はおとなしくなりました。
十分おとなしくなったところで、
和尚は側近に檻を開けるように命じたのです。

側近は躊躇しましたが和尚の説得に負けて檻を開けたのです。
何と和尚は檻の中に入ってしまいました。
観衆は和尚が虎に食われるかもしれないと、
この状況を固唾をのんで見守りました。

檻の中で和尚は再びお経を唱え始めました。
虎はおとなしくなったどころか、
まるで猫になったように和尚の手元でじゃれ始めたのです。

人々は驚いてささやき合いました。

『剣の指南役の迫力はすごかった。
荒れ狂う虎をおとなしくさせた。
しかし和尚の力はもっとすごかった。
なんと虎を猫に変えてしまった。』

これによって観衆は、
人は心を極めると、
剣にも勝る力が発揮できるものだ。
ということを学んだのでした。


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