西郷隆盛と大久保利通の中に見る真の武士の心
2022/02/18
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私は学生のころ西郷隆盛を尊敬していました。
明治維新のめどが立ったとき、
如何なる地位も富も得ることのできる立場にありながら鹿児島の故郷に戻り、
自ら一農民として生きようとしたのです。
この無欲の心は西郷隆盛の生き方に一貫しており、
上野の森の西郷像のように粗末な衣服をまとって、
常に質素な暮らしを続けたようです。
このようなこともあって、
西南の役で西郷隆盛を自害に追い込んだ大久保利通には、
とても尊敬する気にはなれなかったのです。
ところが大久保利通が暗殺された時、
多額の借金が残されていたことを知り、
私は大変な誤解をしていたことを恥じたのです。
世の東西を問わず、
最高権力者は莫大な富を手に入れています。
借金を抱えたまま亡くなる最高権力者が世界のどこにいるでしょうか。
彼は私欲の末に借金を抱えたのではありません。
経済がひっ迫する明治日本のために、
私財をつぎ込んでいたのです。
自分を犠牲にしてまで公共のために尽くす。
これこそが理想の政治家の心ではないでしょうか。
私利私欲に走り、
選挙に勝つことだけに奔走する現在の多くの政治家を見たとき、
西郷隆盛や大久保利通の中に、
現在人にはとっくに失われている理想の武士の心を見る気がします。
さらに言えば世の中には、
明治維新はイギリスを中心とした外力によって成し遂げられたという、
全く根拠のないいわゆる陰謀論を唱える人たちがいます。
しかし維新の中心になった人たちは、
上記の2人だけではなく、
勝海舟も坂本龍馬も私利私欲で動く人たちとは思えません。
陰謀論者は金の流れを唱えていますが、
武士は金で動かされることを最も恥だと考えており、
その意味でも陰謀論には無理がある気がします。
維新の後ろ盾になり、
薩長に武器を提供したグラバーは、
日本人には賄賂は効かないと言っています。
これは武士が金では動かないことを表しており、
金の力で動かすのが原則の陰謀論は完全に否定されるはずだと思います。
現在の政治家の中にも、
わずかですが武士の心を持っていると思われる政治家が見受けられます。
このような政治家が増えれば日本はもっと良くなるはずです。
そうなることを心より願っています。
*陰謀論が正しくて大久保利通がイギリスの金で動かされていたとすれば、
彼が多額の借金を背負っていたはずはありません。
イギリスから多額の裏金を得ているはずですから。
これだけでも陰謀論がおかしいことは分かるはずです。
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