政治家に必要な本当の資質
2016/04/23
私は学生の頃、西郷隆盛が好きで、
尊敬する人と聞かれて真っ先に名前を挙げていました。
今でもその気持ちは変わりませんが、
変わったのは大久保利通に対する評価です。
西郷隆盛を愛するがゆえに、
西南戦争で葬り去った大久保利通が許せず、
とんでもない悪人だと思っていました。
しかし私が大人になり、政治の仕組みが分かってくると、
大久保利通ほど偉大な政治家はいなかったのではないかと、
思えるようになったのです。
大久保利通は鹿児島では人気がありませんでした。
今ではどうか知りませんが、
おそらく県民の多くが私が抱いていた感情があったからだと思います。
私の評価が変わったのは大久保利通が暗殺されたとき、
彼には多額の借金が残されていたという話を聞いたことでした。
彼が自分のために浪費したことによる借金ではありません。
すべて国家のためにつぎ込んだ借金だったのです。
私はこれを知ったとき大久保利通という政治家を長い間誤解していたことが分かり、
心の中でお詫びをしました。
今の政治家の多くが自分の名誉や地位や金のために行動しているように見えます。
そのため選挙の時だけ必死に駆けずり回りそれ以外の時は何をやっているのか全く分かりません。
自分の財産を投げ打ってでも日本のために働いている人がどれだけいるか疑問です。
選挙のために地元で愛嬌を振りまき、
必要とあらば金品をばらまき、
国家の繁栄より地元優先、選挙優先の政治家がほとんどのように見受けられます。
代議士なのだから地元の利益を優先させるのは当然という考え方もあるでしょうが、
国会議員である以上何よりも国家優先、国民優先の大きな理念をもってもらいたいものです。
大久保利通はその典型だったような気がします。
地元で評判が悪いのは百も承知で悪者に徹し、
とにかく明治と言う生まれたてのあやふやな国を任せられ、
列強からの侵略から日本を守るために富国強兵を一刻も早く実現するために、
私欲をすて財産を投げ打って国家のために奔走したのではないでしょうか。
司馬遼太郎は歴代の優秀な政治家として織田信長と豊臣秀吉に加えてこの大久保利通の名前を挙げています。
あらゆる歴史に精通されていた司馬遼太郎が評価しているのですから、
私の評価は間違ってはいなかったのでしょう。
政治家に限らず、本当に大きなことをやるためには、
人の評判を気にしていたら何もできません。
どんなに人から嫌われようとやるべきことはやる。
生涯信念を貫いた大久保利通から西郷隆盛以上の教訓を得たような気がしています。
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