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遺伝子から見た日本人を分かりやすく解説します。

      2016/05/14

まず遺伝子について簡単に説明します。
解析に用いられる代表的な遺伝情報は3つあり、その特徴は次の通りです。

1、Y染色体

Ý染色体は細胞の核の中に存在します。
核の遺伝子にはX染色体とY染色体があり、
X、Xの時は女性、X、Yの時は男性になります。
Y染色体は男性だけが持ち、父親から息子へ伝わって母親は関与しません。
Y染色体は極めてまれですが突然変異(塩基置換)で変わる可能性があります。
この変化を追っていくと父親系のルーツが分かり、アフリカの一人の男性(Y染色体アダム)に行き着くことが分かっています。

2、ミトコンドリアDNA

ミトコンドリアDNAは核外のミトコンドリアに存在します。
ミトコンドリアDNAはY染色体と反対に、母親から娘へ伝わって父親は関与しない(生殖時に排除される)ことが分かっています。
ミトコンドリアDNAは突然変異(塩基置換)を起こしやすくY染色体より5~10倍変化しやすいと言われています。
この変化を追っていくと母親系のルーツが分かり、アフリカの一人の女性(ミトコンドリア.イブ)に行き着くことが分かっています。

3.Gm遺伝子

Gm遺伝子は血液の血清(血漿)に存在します。
血液中には赤血球や白血球にも多くの遺伝情報がありますが、
松本秀雄氏の長年の研究により人種を特定するにはこの遺伝子以外にないと断言されたのがこの遺伝子です。
この遺伝子は人種によって決まるため人種の違いを判定するのに有効です。

以上の遺伝子の基本知識を基に日本人はどこから来たかというところから始めましょう。

人類の起源はアフリカと言われ、日本人の所属する北方モンゴロイドとヨーロッパ白人系の両方の共通の祖先がエジプトを出て北上しました。
これは人類を特定するGm遺伝子の成分のうち2つ(ag、axg)が両者で一致しているからです。

やがて両者に異なった人種(fb1b3とab3st)が交わって2手に分かれ、一方のコーカソイド(ag、axg、fb1b3)はヨーロッパへ、
もう片方の北方モンゴロイド(ag、axg、ab3st)はアジアへ進出しました。

やがて北方モンゴロイドが東の端まで到達したころは日本列島は北海道と九州で陸続きの状態でした。
彼らは2つのルートから日本に入ったのです。

遺伝子で見ると日本列島の北から南までGm遺伝子が均一なのは元々同じ人種であったということを示しています。
ただ現在では南方モンゴロイドafb¹b³が少し加わり、ag、axg、ab3st、afb¹b³の4人種の混合になっています。

一方女性の遺伝子であるミトコンドリアDNAは篠田謙一氏の研究により関東以西と東北以北で違っていることが分かりました。
これは正に侵入ルートの違いによってミトコンドリアDNAの持つ変化しやすい性質のため違いが生まれたと解釈できます。

男の遺伝子であるÝ染色体で見ると、
日本人はY染色体のD系統(縄文系)とO系統(弥生系)が存在し、
D系統は日本以外にチベットとアンダマン諸島にのみ存在する世界でもまれな遺伝子であることが分かっています。

D系統はYAP遺伝子と呼ばれ非常に平和で温和な性格をもたらすと言われており、
縄文時代が弥生時代に比べてはるかに長かったにも関わらず、
ほとんど争った形跡がないことが発掘調査で明らかになっており、
まさに平和的なYAP遺伝子を持つ縄文人の平和的な温和な性格を証明しているのです。

D系統の比率は、

  アイヌ人88パーセント
  本土日本人42~56パーセント
  沖縄人56パーセント

となっており、
大陸から遠いほど比率が高いすなわち縄文系が多いという分布になっています。

大陸はほとんどO系統すなわち弥生系であるのをみると、
日本人のO系統は大陸からの渡来人がもたらしたものだと解釈できます。

以上が遺伝子から見た日本人の正体です。
人種を表すGm遺伝子は、中国の北半分から、モンゴル、シベリア、日本まで同じであることから、
基本的には中国の南半分を除く東アジアは同じ人種と言えるでしょう。

ただ日本人男性がY染色体のD系統を持っているということが他の東アジアの人たちと異なるところです。

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