公務員という仕事には大きな問題がある
公務員の一部の無責任な仕事ぶりを見て、
所詮親方日の丸だからとよく言われます。
私は35年間その公務員としての人生を送ってきました。
もちろん真面目に仕事をしている公務員は大勢いいます。
個人の仕事の仕方がどうこうという前に公務員という仕事自体に、
大きな問題があることをここで指摘したいと思います。
公務員が解決しなければいけないある問題が発生したとします。
その問題を解決するために国に対して予算要求をします。
問題が大きければ大きいほど優先的に予算が振り分けられます。
公務員は問題解決に取り組むことになりますが、
必死で働き一気に問題を解決したとしましょう。
国民一般から見るとよくやったと称賛したいところです。
しかしその組織の上司は渋い顔をするはずです。
問題が解決したということは次年度から予算が付かなくなる、
ということを意味していることになるからです。
役所という組織はより多くの予算獲得を第一の目的にします。
本当は国民のためにいい仕事をするのが第一のはずですが、
残念ながら第一はいい仕事より組織の発展、
すなわちより多くの予算を継続的に獲得することなのです。
そのためには問題は解決せずにずるずると先延ばしにする方が、
継続的に予算を確保できることになります。
もちろんその矛盾は多くの公務員は感じているはずです。
本心は国民のためいい仕事をして世の中の役に立ちたい、
とすべての公務員は思っているはずです。
しかしここで述べたように問題は解決しない方が組織の利益になる、
という矛盾が存在している以上どうすることもできないのです。
次から次に問題が発生する部署では、
このような悩みを持つことなく問題解決に取り組めますが、
一つの問題解決のために生まれたような組織は、
その問題が解決した時点で存在価値を失い組織が消滅するのです。
公務員も家族のあるサラリーマンですから、
国民のためより自分の身を第一に考えるのは当然ですし、
それを責めることは誰にもできません。
私は現在退職した身ですが、
現役のころいつもその矛盾を何とかならないものかと感じていました。
日本人は真面目ですから、
公務員全員が国民のためにいい仕事がしたいと思っているはずです。
しかし以上の矛盾が存在している以上、
どうしても自分の身の安全しいては組織優先になってしまうのです。
私はうまく問題を処理できた組織は公表して表彰し、
功績のあった組織の職員には新たな部署を当てがい、
優先的な地位を保障するようなシステムが必要だと思います。
私は現役の時どうせ必死で働いて業績を上げても給料は変わらない、
と心のどこかで思いながら真面目にやってこなかった時期もありました。
皆さんは私のことをとんでもない公務員だ、
自分だったら給料が変わらなくてもいつも必死で働くよ。
と自信を持って言える人がどれくらいいますか?
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