これからも円安は進む?
2024/04/29
〈情報メディア発信局へようこそ〉
ドル円相場の予想は円とドルの金利差で語られることが多いのですが、
このことだけで決まるわけではありません。
過去のドル円相場の変動の歴史を見ますと、
もっと大きな経済の流れや思惑に左右されていると言わざるを得ません。
戦後固定相場制で1ドル360円に設定されました。
これはアメリカの意向によるもので、
日米の金利差で決まったわけではありません。
日本に主に繊維産業を育成し、
安価な製品を手に入れるには超円安に固定しておく必要があったからです。
その後変動相場制に移行しましたが、
日本は繊維製品だけでなく多くの高性能の製品を生み出しました。
それらが世界中に拡散され、
日本の高度成長時代を作り出したのです。
日本によって欧米の多くの製品は駆逐されていったのです。
これに危機感を持った欧米諸国はプラザ合意によって円高に誘導し、
日本の国際競争力を低下させる政策をとったのです。
この結果、
日本は一気に円高が進み、
国際競争力が低下して円高不況になり、
いわゆる失われた30年を作り出したのです。
このようにドル円相場はアメリカの思惑と日本の経済政策の無知によって動かされたもので、
日米の金利差とは無関係だったのです。
さて今回のテーマですが、
ではこれから円はどうなるかということです。
日本の失われた30年の間に急速な発展を遂げたのが中国です。
すなわち円高によって、
世界のサプライチェーンが日本から中国に移ったということです。
これは欧米の思惑でしたが、
最近欧米はこれが大変な間違いだったと気づいたのです。
中国は経済成長すると民主化すると思っていたがそうではなく、
特に習近平政権になってますます独裁化を強め、
軍事的にも欧米の脅威になったのです。
慌てたアメリカは軌道修正をしました。
中国を弱体化させる政策に舵を切ったのです。
そのため日本との同盟を強化し、
サプライチェーンを日本に戻し、
円安に誘導することによって日本製品を安く手に入れる。
これは再び日本を高度成長をもたらすという日本にとっても都合のいい流れと言えるのです。
アメリカが金融引き締めと金利を引き上げる一方、
日本は金融緩和の継続と低金利に据え置く。
私はこれを円安を進めるための日米で連携している政策だと見ています。
アメリカはこれまでは円安になるといつも日本を非難していました。
これは円安によって対日貿易赤字が増加するからです。
今回非難が無いのはアメリカが金利を上げたという、
アメリカ側の一方的な行動であったということもあるでしょうが、
私は以上述べたように日米が同意しているからだと見ています。
日本がサプライチェーンの中心になって円安になると、
1.欧米諸国は日本製品を安く手に入れることができる。
2.日本は輸出によって再び高度成長ができる。
これは両者にとって正にウインウインの関係です。
もしこの見方が正しければこれからも日米の意向が強く働き、
ドル円相場はこれからさらに円安が進むはずです。
*熊本のTSMCの誘致や北海道のラピダスの立ち上げは
半導体のサプライチェーンを日本に戻す政策の一環と言えます。
*円安は輸入物価を押し上げることから悪い円安と表現する人がいます。
しかしGDPを押し上げることから総合的に見ると日本経済にはプラスです。
私は昔の高度成長期の再来が起こると見ています。
*名だたる多くの経済専門家がドル円予想を外しているのは、
米中対立(米による対中制裁)という大きな経済の流れを見ていないからです。
中国株が下落しているのに対して日米の株が上昇しているのは、
資金が中国から日米に移っていることを示しています。
これはサプライチェーンが中国から日本に移っている何よりの証拠です。
このことが私の記事が間違いでないことを示しています。
*この記事を作成しているとき、
ほとんどの為替の専門家はこれから円高になると予想していました。
私は記事のように円安が進むと予想していましたので、
今のところ素人の私の方が当たっていることになります。
あまり専門家の意見を鵜呑みにするのは危険です。
スポンサーリンク