豊臣秀吉の天下取りの手法から学べること
豊臣秀吉の城攻めは独特でした。
敵の城を取り囲み敵の出入りを塞いで、
兵糧の尽きるのを待つ戦略です。
なんだ単なる兵糧攻めではないか。
そんな戦略は昔からあるよ。
と思われたかも知れませんが、
秀吉のやり方はここからが違うのです。
兵糧が尽きるのを見計らって城に乗り込み、
和睦を提案するのです。
もし条件を呑めば一切の処分は行わないし、
重要ポストを与えて一族の存続を保証するというものでした。
初めは評判の悪い信長の家来であることから秀吉を疑い、
簡単に応じなかったのですが、
やがて食料が尽きて餓死者が出始めますと、
このまま死滅してしまうくらいなら、
一か八か秀吉の提案に乗ってみようと思うはずです。
秀吉は忠実にこの約束を守ります。
敗北した側にとっては、
本来滅亡すべき運命を助けられ、
その上過分な境遇まで与えられたのですから、
秀吉を憎むどころか、
感謝して必死で秀吉を助ける側に回るようになります。
秀吉は戦わずして勢力を拡大させることができたのです。
さらにこの状況を周囲の敵方も見ていることも、
秀吉の計算に入っていました。
次の城攻めでは秀吉の処遇を見ていた敵方は、
簡単に秀吉の提案を呑む結果につながったのです。
このようにして次々と城を落としていき、
天下統一を速めたのです。
このような巧妙な戦術から、
秀吉は城攻めの名人と評されたのです。
敵を味方に変える。
秀吉の戦術は私たち現代人にも大いに参考になります。
一方的に敵対する相手を攻撃するのではなく、
相手の状況や心理を把握して、
両者に得になるような提案をする。
相当な心の余裕が無ければできないことですが、
経営者にとっては、
組織を運営し人を円滑に動かすためには、
大いに参考になるやり方ではないでしょうか。
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