国際関係は性善説をベースにしてはいけない
日本では基本的に性善説がベースになっているようです。
どの国も平和を望んでいるのだから、
話し合えば解決できないことはない。
という意見が通用するのはそのためです。
ところが北朝鮮のような国が出てきますと、
かならずしもそうではないのではないか、
と思う人が増えてきたようです。
日本はほとんど単一民族で構成されており、
相手を思いやるなど共通したメンタリティーを持っていますので、
性善説が基本になるのは当然なのかもしれません。
しかしアメリカに代表されるように、
多くの国は多民族国家であり、
根本的にメンタリティーが違うため、
日本人のように性善説を持つ方が圧倒的に少数派のはずです。
では性善説を持たない交渉とはどのようなことでしょうか。
答えはずばり交渉はすべて利害で決まるということです。
幕末坂本龍馬の仲介で薩長同盟が実現しました。
薩長が手を組まなければ幕府は倒せないことは分かっていましたが、
両藩の関係の余りの悪さから、
討幕派の再三の説得にも関わらず実現できなかったのです。
坂本龍馬は武器購入という利害を利用して両藩を説得し、
無理だと思われていた薩長同盟を実現させたのです。
坂本龍馬は実家が商人を兼ねていたこともあって、
人間はイデオロギーより利害で動くことを知っていたからです。
性善説がベースの日本人通しでさえこうですから、
まして国際的にはなおさらです。
イデオロギーすなわち利害を伴わない理屈だけの交渉は、
利害がからむ交渉にはほとんど功を奏しないと言うことです。
国際的な交渉は武力と経済力の背景が必要です。
これが現実なのです。
虎の威を借る狐という諺がありますが、
虎(武力と経済力)がなければ、
狐(国)は発言力の弱い国際的な地位しか与えられないのが現実なのです。
国の安全と国際的な地位の向上を図るには、
日本人の持つ性善説をベースにしてはいけないと言うことです。
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