親が子供に聞かせてやりたい話 その6
2016/04/05
『為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり』
これは米沢藩(山形県)の藩主であった上杉鷹山(うえすぎ ようざん)の歌です。
こんなのうそだ、絶対不可能なことは世の中いっぱいある。
そんな声が聞こえそうです。
これは極端な言い方をしただけで、要はそのようなつもりでやってみなさいという意味です。
しかし、昔は正にこの言葉のように誰もが不可能だと思っていたことを、やってのけた人がいます。
その一人が墨俣の一夜城で有名な豊臣秀吉です。
当時はまだ木下藤吉郎と名乗っていました。
織田信長が美濃を攻めるために墨俣に城を作ることを決めます。
柴田勝家が失敗した後、自分がやると名乗りをあげたのです。
城を作るのです。
小屋を作るのではありません。
いくら大人数が関わっても1,2か月はかかりそうですよね。
秀吉は絶対不可能と思われた短期間で城を作り上げ、人々を驚かせたのです。
やり方はこうです。
それまで仲良くしていた野武士達に頼み、
森で木を切ってあらかじめ城のパーツを作っておきます。
それをいかだで運び、現地で組み立てたのです。
今ではプレハブ工法としてあたりまえですが、
当時は誰もが思いつかない画期的な方法でした。
秀吉のとった作戦はもう一つありました。
それは作業員達をグループに分け、競争させたのです。
「一番早かったものに褒美をとらす。」
作業員達は褒美欲しさに必死で働きました。
このようにして、またたく間に城を完成させたのです。
この話は工夫が大切だということです。
私たちはやる前からあまり考えずに、
「そんなことは無理だ」
と諦めることはよくあります。
一見不可能と思われることでも工夫すれは何とかなるかもしれない。
ということを考えさせる話だと思いませんか?
この話以外にも、歴史をみると不可能を可能した事例は少なからずあります。
もう一つの例が日露戦争の勝利です。
当時日本は明治維新が始まったばかりで、
西欧諸国からの侵略を恐れて富国強兵を進めていました。
中古の戦艦を買い集めている日本の姿を見て、
西欧諸国の人たちは、
「東洋の猿の国がまさに猿まねをしている。」
と笑っていたのです。
その猿の国がこともあろうに、大国ロシアと戦争をするというのです。
「これは話にならない。
まるで大人と子供の喧嘩のようなものだ。」
西欧の人たちの誰もがそう思ったに違いありません。
結果は日本の勝利でした。
日本は工夫をこらし、何度も何度も訓練して手にした勝利でした。
特に勝利を決定づけた日本海海戦の勝利は、
「海戦史上こんな一方的な勝利は見たことがない」
と西欧諸国の人たちを驚かせたほどの完勝でした。
いかがでしたか、どんな難しいことでも工夫を重ねればできるのだと、
私たちに教えてくれていると思いませんか?
正に、為せば成るを実証した2例でした。
私たちもどんな難しそうなことでも、
初めからできるはずないと簡単にあきらめず、
何か良い方法があるかもしれないと考えるようにしたいものです。
あきらめるのはその後いつでもできますよね。
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