現在の円安は悪いことなのか?
2023/09/09
〈情報メディア発信局へようこそ〉
我が国のドル円相場は黒田日銀が始まってから金融緩和を実行したことにより、
それまでの1ドル110円台から130円台に上昇し、
植田日銀に代わってからもこの方針を継続すると宣言したことで、
さらに140台円まで上昇しています。
アベノミクスを否定するマスコミの多くが円安の進行を悪い円安と言って批判しています。
そもそも円安は悪いことなのでしょうか?
過去を振り返りますと、
高度成長時代のドル円相場は1ドル350~250円の超円安で、
日本人がアメリカの不動産を買いまくった時代でした。
これに危機感を持ったアメリカの円安是正政策(プラザ合意)や日銀の金融政策の失敗によって、
1ドル100円まで円高が進行したのです。
その結果国内で利益が出なくなった日本の産業は海外に拠点を移し、
国内が空洞化して多くの失業者が発生したのです。
これが日本の失われた30年を作り出したのです。
1ドル80円の頃は特にひどく、
大量の失業者が代々木公園で行われた炊き出しに群がる現状が、
連日テレビで放映されました。
これを見て円高の方がいいとどうして言えるのでしょうか?
円安は確かに輸入価格を押し上げます。
これによって物価上昇を招くことは確かです。
しかし物事にはメリットとデメリットがあって、
結局円安と円高のどちらがメリットが大きいかという話なのです。
過去の事例では上記のように、
円安の時は高度成長、
円高の時は失業者の増加
を考えたとき、
現在の1ドル140円を安易に悪い円安と言えないはずです。
自国通貨安は自国のGDPを押し上げるというのは、
はっきりデータに出ているのです。
国を豊かにするのは円高より円安の方だといえるのではないでしょうか。
経済の解説をするときは一方的な批判をするのではなく、
メリットとデメリットを説明して、
さあどちらが望ましいですかと問いかけてほしいと思っています。
*個人的には現在のドル高円安の進行は日本よりアメリカの方針(意向)だと考えています。
半導体の中国依存から日本への転換を進めているアメリカは、
日本が半導体のサプライチェーンになった時には、
ドル高円安の方が望ましいからです。
もしそれが正しいなら円安はこれからも継続するはずです。
日本の経済政策はアメリカの世界戦略に乗っかっているといっていいでしょう。
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